ヒップホップ界だけでなく世界の音楽シーンにおいて重要な存在として位置づけられるようになった Madvillain (マッドヴィラン)。
MFドゥーム(MF DOOM)とマッドリブ(Madlib)という2人のMC兼プロデューサーのヒップホップ・デュオにより制作された『Madvillainy(マッドヴィレイニー)』(2004)は、音楽評価データベース Rate Your Music の史上最高のアルバムランキングで14位と、ヒップホップではケンドリック・ラマーの『To Pimp a Butterfly』に次ぐ高評価を受けています。
私はヒップホップにそれほど詳しくなく、2人の存在も知りませんでしたが、『Madvillainy』はすぐにハマり、今ではヒップホップで一番好きなアルバムといっても過言ではない存在になりました。
彼らの他の作品も気になったので、ここでは、Madvillain 関連(二人のソロなど)の全作品において特に名盤として評価の高いアルバムについて、客観的データベース(評価の詳細)を基にランキング形式で紹介したいと思います。
6位:Madlib(マッドリブ)『Shades Of Blue(ブルーノート帝国への侵略)』
2003年発表のアルバム。ブルーノート・レーベルのジャズ音源を使用しています。
トラック10「Stepping Into Tomorrow」
5位: DANGERDOOM(デンジャー・ドゥーム)『The Mouse And The Mask(ザ・マウス・アンド・ザ・マスク)』
2005年発表のアルバム。MF DOOM と Danger Mouse のプロジェクト。Danger Mouse がアニメの音楽をサンプリングしたトラックを制作し、MF DOOM がラップしています。
トラック2「Sofa King」
4位:Quasimoto(カジモト)『The Unseen』
2000年発表のアルバム。Quasimoto(カジモト)は Madlib の別名義です(プロジェクトごとに名義を変えるそう)。
「Low Class Conspiracy」
3位:MF DOOM『Operation: Doomsday』
1999年発表のデビュー・アルバム。注目する人はしていたようです。
名曲「Doomsday feat Pebbles The Invisible Girl」
2位:MF DOOM『Mm.. Food』
2004年発表のアルバム。ソロでもこれほどの名盤を出していたとは驚きです。
名曲「Rapp Snitch Knishes (feat. Mr. Fantastik)」
1位:Madvillain (マッドヴィラン)『Madvillainy(マッドヴィレイニー)』
2004年発表のアルバム。この才能あふれる二人が組むことで生まれた奇跡的な名盤でしょう。どの曲も短いのに遊び心あふれる多彩な名曲が詰まっています。歴史に残る作品であり、ヒップホップ・ファンにとどまらず聴いてほしい名盤です。
2分以内の短さにして哀愁漂う名曲「Accordion」(アコーディオン)
ふつうにカッコいい曲もあります。
「Raid」
別の曲では、なにげにストII の音まで使われています。
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備考:Madvillain の正しい読み方は?
日本語のWebページを見ると、Madvillain の読み方は統一されていません。
Wikipediaでは「マッドヴィリアン」ですが、タワレコでは「マッドヴィレイン」と表記されています。
現時点でGoogle検索すると、ヒット数は以下のとおりでした。
「マッドヴィレイン」7,260件
「マッドヴィリアン」828件
「マッドヴィラン」350件
この結果からは「マッドヴィレイン」が圧倒的に多いようですが、果たして本当でしょうか。
アルバム 4 曲目の Bistro では開始 10 秒あたりで “Madvillain” の正しい発音を聴くことができます。
「マッドヴィラン」が一番近い気がします。
そもそも、Madvillain は Madlib と villain を組み合わせた造語です。
MF Doom は自身のステージ上のペルソナをスーパーヴィラン(Wikipedia)として活動しています。
このアニメの悪役を意味する villain という単語の発音記号を調べると【vílən】なので、カタカナならば「ヴィラン」が適切です。
そういうわけで、当サイトでは「マッドヴィラン」の表記を推していこうと思います。