ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)の全アルバム中、名盤としてリストされたポイントに基づく客観的ランキングを紹介します(ランクの詳細)。
日本でもジミヘンの名で親しまれ、ロック史上最高のギタリストとして有名なジミ・ヘンドリックスですが、生前に発表されたアルバムはたった3枚しかありません。
しかし未発表の音源は多く、その後もライブ・アルバムやコンピレーション・アルバムが多数リリースされており、最近でも財団「エクスペリエンス・ヘンドリックス」からアルバムがリリースされ続けています。
これらすべてを含めたアルバムの名盤ランキングは以下のとおりでした。なお、このランキングでは公式に初めて収録されたアルバムが高く評価される傾向にあるため、後年に同等か上位互換の作品が出ている場合はそちらも紹介しておきます。
10位:『Experience Hendrix: The Best Of Jimi Hendrix(エクスペリエンス・ヘンドリックス~ベスト)』
1997年発表のベスト・アルバム。
代表曲が幅広く20曲選曲されています。
手軽ですが、ファンとしてはオリジナル・アルバム3枚+アルファを揃えることをお勧めします。
9位:『Live At Woodstock(ライヴ・アット・ウッドストック)』
1999年発表のライブ・アルバム(1969年8月の録音)。
ベトナム戦争の戦場の様子を音で表現したという有名なアメリカ国歌の演奏や、「Fire」の高速バージョンなどを聴くことができます。
「Fire」
私はレッチリがカバーした「Fire」を先に聴いていたため、ジミヘンの原曲を遅く感じていましたが、本家も速弾きしていたのですね。
8位:『Jimi Plays Monterey(モンタレー・ポップ・フェスティヴァル・ライヴ )』
1986年発表のライブ・アルバム(1967年6月の録音)。
ボブ・ディランの名曲「Like a Rolling Stone」の独創的なカバーを聴くことができます。
映画『ジミ・プレイズ・モンタレー』と同時に公式リリースされた作品ですが、今では同じライブの MC などを加えた高音質版を『Live at Monterey』(2007)で聴くことができます。
「Killing Floor (Live At Monterey)」
7位:『Smash Hits(スマッシュ・ヒッツ)』
1968年発表のベスト・アルバム。
英盤と米盤で収録曲が異なり、初期のシングル曲や B 面の曲を中心に構成されています。
こちらが英国盤で、「The Stars That Play with Laughing Sam’s Dice」(略称:STP with LSD)がアルバムに初収録された点が貴重ですが、この曲は 1997年の『South Saturn Delta』などにも収録されています。
遅れてリリースされた『Smash Hits』の米国盤にはこの曲が含まれておらず、代わりに『Electric Ladyland』からの代表曲が入っています。
6位:『Blues(ブルーズ)』
1994年発表のコンピレーション・アルバム。
ブルーズをテーマとして、いくつかの曲の別バージョンに加えて、6曲の未発表録音が収録されました。
#2「Born Under a Bad Sign」
5位:『The Cry Of Love(クライ・オブ・ラヴ)』
1971年、ジミの死後に発表されたスタジオ・アルバムです。
4枚目のスタジオ・アルバムのために制作されていた曲が収録されています。
4枚目のアルバムを実現する試みはいくつかあり、最新の『First Rays of the New Rising Sun』(1997)にはこのアルバムの全曲が別の曲順で収録され、さらに 7 曲が追加されています。
「Angel」は名曲です。
4位:『Band Of Gypsys(バンド・オブ・ジプシーズ)』
1970年発表のライブ・アルバム。
ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス解散後に結成されたバンドによる、ブラック・ミュージック色の濃い作品です。
「Machine Gun」
3位:『Axis: Bold As Love(アクシス:ボールド・アズ・ラヴ)』
1967年発表の 2nd アルバム。
メロディアスな曲が多く収録されています。
#9「Castles Made Of Sand」
2位:『Electric Ladyland(エレクトリック・レディランド)』
1968年発表の 3rd アルバム。
ボブ・ディランの「All Along The Watchtower(見張塔からずっと)」のカバーをはじめ、才能が爆発しています。
#15「All Along The Watchtower」
1位:『Are You Experienced(アー・ユー・エクスペリエンスト?)』
1967年発表の 1st アルバム。
世界に衝撃を与えたサイケデリック音楽とハードロックの傑作です。
英国盤と米国盤では曲順が異なるのでご注意ください(詳細はWikipedia)。
個人的には「Foxy Lady」から始まる英国盤の曲順が好きですが、現在、ボーナス・トラックを含めて全17曲というのはどちらも同じです。
どちらの曲順がジミの意向に沿っているのか ChatGPT に聞いてみたところ、
ジミ・ヘンドリックス自身は、どちらの曲順にも満足していなかったようです。彼は自分の音楽を自分でコントロールすることを望んでいましたが、レコード会社やマネージャーの意向に従わざるを得なかったからです。
彼は1970年に亡くなる前に、自分の理想的なトラックリストを作成しようとしていましたが、それは実現しませんでした。
とのこと。ジャケットに関しては、ジミは英国盤が気に入らなかったそうです。
英国、インターナショナル盤↓
米国盤↓
「Foxy Lady」
サイケデリック・ロックが好きで、次の2バンドを未聴の方は、以下もお勧めです。いずれもジミヘンとは違いますが、素晴らしいバンドです。
・ゆらゆら帝国の名盤ランキング TOP5【投票募集中】
・テーム・インパラのお勧めアルバム・ランキング TOP3
ちなみに、中崎タツヤ先生の漫画『じみへん』のタイトルの由来はもちろんジミ・ヘンドリックスですし、
漫☆画太郎画伯の『ハデー・ヘンドリックス物語』はジミ・ヘンドリックスのパロディです。